オリンパスのデジカメCAMEDIA C-2 Zoomを発売日の3/21/02に購入した。撮影した画像、使い勝手、問題点などを順次レビューしていく。
34.デジタルズームと画質の関係

 

デジタルズームと画質の関係 (8/27/02)
デジタルズームによる画質低下
 ほとんどのデジカメにはデジタルズーム機能が付いている。C-2 ZoomもSQ1、HQ、SHQモードでは2.5倍、SQ2モードでは5倍のデジタルズーム機能がある。HQモードを例に考えると、光学・デジタルズームを併用すると7.5倍のズーム機能を利用することが可能だ。

 しかし、デジタルズームを併用すると画質の劣化は免れない。下の写真を見れば一目瞭然だが、デジタルズームの倍率が高いほど画質の低下が大きい。特にデジタルズーム2.5倍を併用した場合、エッジ(境界)がぶれて全体にぼやけた写真となり背景の空もまだらになっている。

左:光学3倍ズームのみ、中:デジタルズーム1.8倍併用、右:デジタルズーム2.5倍併用
HQで撮影後、240×180に切り抜いて原寸大表示した。
なお、手ぶれの影響を除くため三脚を使用してセルフタイマーで撮影した。
  

 なぜこのように画質が落ちるのだろうか。
 デジタルズームとは、実は画像の一部を切り取って拡大して見せているのだ。
(このため「デジタルズームという表現はおかしい、デジタルトリミングと呼ぶべきだ」と主張されている方もおられます。)

 具体的に画素数を使って考えてみよう。
 デジタルズーム2.5倍を使用したときの画素数は、元画像の縦、横それぞれ1/2.5ずつの大きさにトリミングした画像の画素数と等しくなる。すなわち元の1/6.25の画素数(1/2.5の2乗)となるので、HQモードでは、元画像:200万画素→デジタルズーム後:約30万画素に減ってしまうわけだ。この30万画素を元の画像と同じ大きさに拡大している状態のため画質が低下するのだ。

 それでは、デジタルズームは全く使えないのだろうか。
 これは撮った写真の用途によるだろう。
 デジタルズーム2.5倍は約30万画素相当なので、640×480以下にリサイズして、ホームページやメールに用いるのなら画質の低下はあまりわからない。但し、印刷する場合は名刺サイズが精一杯の大きさだろう。

 画質の低下覚悟で大きいサイズにプリントする場合は、画質モードをSHQにした方がよい。下の写真はSHQで撮影したものだが、左の光学3倍ズームのみの写真はHQと比較しても差がわかりにくいだろう。それに対しデジタルズームを併用した場合、背景のまだらやエッジのぶれがSHQの方が多少改善されている。
 劇的な差はないが、少しでも画質の低下が少ないのはSHQを使用した場合だ。

左:光学3倍ズームのみ、中:デジタルズーム1.8倍併用、右:デジタルズーム2.5倍併用
SHQで撮影(三脚使用)後、240×180に切り抜いて原寸大表示した。
  

 なお、HQやSHQでデジタルズームを2.5倍使用すると、焦点距離は35mmフィルム換算で285mmの望遠となるので、手ぶれが要注意だ。暗い日は、三脚を用いるのが無難だろう。

 デジタルズームとトリミングの違い(少しややこしいのですが、興味のある方はご覧下さい)
 これまでデジタルズームは、トリミングした画像と画素数的に同程度と書いてきた。そこで、実際にトリミングした後拡大した画像と比較してみよう。

 左は元画像をトリミングした後、縦・横2.5倍に引き伸ばしたものだが、不鮮明でジャギー(ギザギザ)が目立つ。これに対し真ん中のデジタルズームの画像はエッジがスムーズになっている。

左:HQモード・光学3倍ズームの写真をトリミングした後、縦・横2.5倍に引き伸ばした。
中:デジタルズーム2.5倍で撮影した画像を切り抜いた。
右:Photoshopの再サンプル法(バイキュービック法)を使って引き伸ばした。
  

 トリミングした写真より、デジタルズームの方が画質が良いのは、画像補間法という処理を行っているためだ。
画像を引き伸ばすというのは元画像に新しい画素(ピクセル)を追加することになる。この時にまわりの画素のデータから推測した新しい画素を追加する処理を画像補間法と呼ぶ。

補間処理の模式図
元画像(3×3ピクセル)を縦・横2倍ずつ(6×6ピクセル)に拡大した場合
補間処理は周りの画素データから追加する画素のデータを推測する。

 一方、レタッチソフトウェアにも補間機能を持つものがある。上右写真はPhotoshopの補間機能を用いて引き伸ばした写真だが、やはりエッジはスムーズになっている。この写真では、デジタルズームの方がレタッチソフトよりきれいに見える。しかし、他の写真で比較するとレタッチソフトの方がきれいに見える場合があった。従って、補間機能についてはデジタルズームとソフトウェアとでどちらが優秀か一概には言えないようだ。

 もし、補間機能(ソフトウェアでは「再サンプル法」や「リサンプル法」と呼ばれる)を持つレタッチソフトをお持ちの場合は、デジタルズームの代わりに、この補間機能を使って画像を引き伸ばして画質を比較されたらいかがであろうか。

 ただ、いずれにせよ補間機能は画質の低下をわずかに抑える、というように理解した方がよいだろう。

(補間機能はカメラのメーカー・機種やソフトウェアにより異なるでしょうし、被写体によっても結果が異なると考えられます。ここでは、デジタルズームとレタッチソフトのどちらの補間機能が優れているかは言及しません。)